2020年春夏NYコレハイライト Vol.1  「ケイト・スペード」「ヘルムート ラング」

2020年春夏ニューヨーク・ファッション・ウイークは、9月4日に開幕。初日は中国勢が中心で、実質的なスタートは6日の夕方以降となった。

ここでは6、7日のトップブランドを2つピックアップ!!

会場は、土曜の太陽光がふんだんに降り注ぐ、マンハッタン・ノリータ地区のピースフルな庭園。コレクションも、全てが優しく穏やかだ。ハンカチーフのような純白のコットンポプリン、総レース、ボタニカルモチーフをプリントしたシャツドレスは、いつも以上にリラックスしたシルエットでストレスフリー。パフスリーブのブラウスに重ねたクロシェ編みのドレス、スキッパーポロタイプのリブ編みボーダーニットは、ブランドらしいキッチュと、ニコラ・グラスのレトロテイストの合作だ。シルバーを編み込んだサマーツイードのジャケットも、カーディガンのように羽織る感覚。肌寒い日の公園のお散歩にピッタリのトレンチコートやキルティングコートは、コットンギャバジンではなく、タフタやビスコースで柔らかく仕上げた。

バッグは、定番ショルダーの素材をカゴに変換したクロスボディや、スペードを組み合わせて作った花柄が鮮やかな大容量トートなど。年齢、性的指向、体型を問わず、モデルに混じって親子や同性愛カップルを含む一般人が現れるインクルーシブ演出も心に染み入る。

デザイナーが代わって2シーズン目。引き続き、過去の迷走で揺らいだアイデンティティーを、再び強固なものにしようと原点に回帰する。ピュアホワイトからネオンまでのさまざまな色、パラシュートナイロンから大理石プリントをのせたシルバーレザーなど、さまざま素材。多様な色と素材で生み出したのは、クロップド丈のブルゾンやGジャンにスキニーパンツやシンプルなドレス主軸とするストイックでミニマル、シャープなスタイルだ。

スタイルとシルエットは頑な。色と素材のバリエーションで魅せる。90年代の「ヘルムート ラング」の記憶が蘇る。次回はいよいよ、そこからの前進を期待したい。

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