アメリカの人気メイクアップアーティスト、パトリック・タ(Patrick Ta)が、「ニックス プロフェッショナル メイクアップ(NYX Professional Makeup)」のファンやユーチューバーを招き、都内で開いたメイクアップ講座マスタークラスにゲスト講師として登場した。
パトリックが日頃担当するのはリアーナ(Rihanna)、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)、ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)などセレブリティばかり。最近では今年のメットガラ(MET GALA)や、キム・ジョーンズ(Kim Jones)の新生「ディオール(DIOR)」にゲスト登場したベラ・ハディッド(Bella Hadid)のメイクアップも担当した。インスタグラムでは100万フォロワーを持つ世界的にも有名なアーティストだ。
そんなパトリックが今回、ブランドの商品を使用してデモンストレーションを披露。メイクアップのテクニックを伝授するとともに、ファンからの質問にも答えた。
艶感のあるサマールックで、ハリウッドセレブにも施すようなメイク。今日のモデルは髪がピンクなので、メイクも同系色で統した。この間はベラ・ハディッドが黄色の服を着ていたから、アイメイクも黄色にしたよ。
今日のメイクは濃い色からのせているが、いつもその手順?
今日のカラーはピーチなので濃い色からのせているが、スモーキーな色の時は薄い色からのせてグラデーションにしている。アリアナ・グランデとか多くのクライアントはグラデーションにしたカラーが好き。
色をきれいにブレンドするには?
カラーのブレンドは車のワイパーのようにブラシでこするんだ。平筆で色をのせてから、ブレンディングする時はブラシにはアイシャドウをあまりつけずに、本当に混ぜるだけ。
海外はアーチ眉が多いが、パトリックは平たい眉を描いている。眉のこだわりはある?
アーチ眉にすると、顔が下がったイメージになってしまうのでストレートで描いている。描く時は眉の真ん中からスタートして、外側にグラデーションにしていく。ブラシを縦にしてスタンプするように色をのせると、やりすぎ感がない。
パトリックの使う色は日本人があまり使わない色が多い。派手な色を使いこなすには?
普段使わない色を使う時は仕上がりをイメージして、アイメイクとリップの色をマッチするようにすると使いやすい。もっと色を濃くしたいという時は、ブラシに直接セッティングスプレーをかけるといい。
コントゥアリングのコツは?
濃いコントゥアリングは好きじゃない。ハイライトは使いすぎると骨格が目立ちすぎてよくないので、顔の平たい部分に使うといいよ。
チークはどういれる?
スワイプでのせる人が多いけど、それだとファンデーションがよれてしまうからスタンプを押すようにつける。
メイクアップの中で、得意なものは何?
僕が得意なのはベースメイクだね。ブレンドするのがとても得意。あとは濃いリップやカラーアイテムが好き。
好きなメイクパーツは?
リップが好き。
グロスやマットなど、どんなリップが好み?
僕はマットリップが好きだね。ただ、最近リアーナを担当するようになったんだけど、彼女はグロスが好きなんだ。彼女のためならグロスを好きになるように頑張るよ。
アメリカの現在のトレンドは?
ピーチ系カラーのアイメイクがはやっている。今日はアーモンド形に塗って、最後にキャットアイのように目尻を伸ばして目を大きく見せている。
セレブにメイクする時のポイントは?
レッドカーペットではメタリック系のキラキラはあまり入れず、マットな仕上がりにしている。スチールやテレビの撮影だと艶感のあるメイクやラメも使うけど、パパラッチされる時はラメはあまり映らない。
これから流行しそうだと思っているメイクアップトレンドは?
その質問はよく受けるけど、正直わからないな(笑)。インスタグラムからインスピレーションを得たり、フィーリングでいろいろなメイクをしているよ。
遠くへの出張が多いそうだが、渡航先でもきれいでいるコツは?
おすすめなのは、機内でフェイスマスクをつけてそのまま寝ること。機内は乾燥で肌がパサパサになるから、見た目はよくないけど濡らして寝るんだ。あとは出張先でよく食べること(笑)。
日中メイクを保つには?
下地がとても重要。日本のように多湿な環境だったら、仕上げにセッティングパウダーをつけることが大事になる。パウダーは全面的につけると頰の艶が消えてしまうから、ポイントでつける。
体にもメイクアップすることはある?
日常的には勧められないけど、撮影の時にはすることがあるよ。写真写りのためだから、すごいことになるんだ(笑)。きょうはデコルテにハイライトを塗ったよ。
どうやって今の仕事にたどり着いた?
6年前にメイクアップアーティストを始めて、最初の1年はアリゾナのメイクカウンターで仕事をしていた。そこからロサンゼルスに引っ越して、インスタグラムにメイクルックをアップし始めたんだ。その頃はウエディングルックをすることが多くて濃いメイクはあまりしなかったんだけど、カーダシアン家のメイクを担当することがあって、もっと女優のメイクアップを担当したいと思うようになったんだ。
そこからどのようにチャンスをつかんだ?
女優が好きなメイクは軽めのものだったので、自分のメイクアップを変えないといけないと気が付いた。今はアーティストのメイクアップが増えたから、女優メイクと濃いメイクの間のメイクを目指して進化させているんだ。
思い出深い仕事は?
「ビクトリアズ・シークレット(VICTORIA’S SECRET)」のショーのメイクアップを担当したこと。小さいころからテレビで見ていたから夢のようだったよ。そして、3週間前に初めてリアーナと仕事したこと。思っていた以上に彼女は楽しい人で、感謝の気持ちでいっぱい。いい経験だった。
メイクアップアーティストになりたい人にアドバイスするとしたら?
1つは、インスタグラムを活用すること。自分の作品をきれいにアップしたり、何を投稿するか気を配ることが大事。そして人に優しくすること。そういうところをブランドはよく見ているし、いろんな縁を大事にすべき。